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Revised Data and Reexamination of Previous Original Article 'Northeastern Protohistoric People: Physical Traits of Human Skeletal Remains from the Yamoto Tunnel Burials in Miyagi Prefecture'
原著論文「北辺の横穴墓古代人―宮城県矢本横穴墓群出土人骨の形質」におけるデータ訂正と再検討の結果について

Wataru Takigawa
2008 Anthropological Science. Japanese series  
はじめに 先般,Anthropological Science(Japanese Series)第 116 巻 第 1 号(35-51 頁)に掲載された拙稿「北辺の横穴墓古代 人-宮城県矢本横穴墓群出土人骨の形質」中,一部の頭蓋 計測項目においてデータに誤りがあるとの旨, ある一読者 より指摘があったことから,後日資料の再計測を行い,こ のデータを基に一部の解析について再検討を実施した。 こ のたび,AS 和文誌編集委員会のご厚意により,その再検 討の内容について掲載の機会をいただいたので, ここに報 告するものである。なお,第 116 巻第 1 号の掲載論文は, 瀧川と佐藤敏幸の二名による連名となっているが, 出土人 骨の計測および分析に関する内容の責任はすべて瀧川に 帰するものである。また,本稿で触れた引用文献について は,前掲論文に掲示したリストを参照されたい。 計測の訂正点 今回,訂正の対象となった計測項目は,Martin の計測 項目中の No. 48 上顔高(Upper facial height: GH)と No. 55 鼻高(Nasal height: NH)である。
more » ... sal height: NH)である。 まず上顔高については,以前よりその下端の計測点を どう設定するか,すなわち,アルべオラーレ(Martin が プロスティオンとしている点)か Howells 法におけるプ ロスティオンを採用するかどうかという問題が議論され てきたが,これに加えて上顎歯槽突起が欠損ないし磨耗 している際にどのように処理するかということ,また単 純に筆者の目盛の読み間違いがある個体もあったため, 今回は次の点に従って上顔高を再度計測し直した。 ①計測法は Martin 法によるものとし,下端の計測点をア ルべオラーレとする。この際のアルべオラーレは,顔 面骨だけで判断せず,脳頭蓋をも含めた場合の耳眼水 平面を考慮した上で,中切歯間における上顎歯槽突起 の最下端に当たる点をこれに設定する。 ②上顎歯槽突起が欠損ないし磨耗している個体では,そ の欠損部が 5 mm 以上に及ぶと判断される場合は計測 を実施しないこととする。欠損部が 5 mm 未満と考え られる場合は,周辺の歯槽の遺存状況も考慮し,ある 程度の推定値として計測を行った。 ③計測器には,ジョウをスライドさせた際に読み値が乱 れて表示されることがあるデジタルノギスを用いず, GPM 社製の Martin 式滑動計を適用した。 後者の鼻高に関しては,下端の計測点のナゾスピナーレ の位置について,一部の個体において筆者がスブスピナー レと誤認して計測していたものもあった。また,正確には ナゾスピナーレを左右の梨状口下縁の最下点を結ぶ直線と 正中矢状面との交点とすべきであるが,実際は前鼻棘が前 上方に突出することからノギスのジョウの先端を当てるこ とができないことも多々あり,計測者の多くが前鼻棘側面 の該当点において便宜的に設定している可能性が高いと考 えられるため, 筆者もこれに則って再計測することとした。 さらに,64 号墓 1 号人骨は,前頭部に何らかの原因に よる歪みが見られることから,計測値を採用しない方が 良いと考えられる計測項目(1.頭蓋最大長,5.頭蓋基 底長)を除外するとともに,新たに計測可能と判断され た項目(9.最小前頭幅)の計測値を加えて再検討を実施 することにした。 *東北大学医学系研究科人体構造学分野 〒 980-8575 仙台市青葉区星陵町 2-1
doi:10.1537/asj.116.211 fatcat:xleejygubrarlp3xjsbfnhxa7e